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2025年度「梅田防災スクラム」活動報告

2026年7月

自助力・共助力を高め、災害に強いまち「梅田」へ

梅田地区エリアマネジメント実践連絡会が取り組む防災啓発活動「梅田防災スクラム」では、エリア防災の機能向上、梅田に関わる人々の自助力・共助力の強化を目的に、2025年度も多様な活動を展開しました。
今回は、2026年1月に実施した「梅田防災スクラムの日」と、2026年3月に実施した「梅田防災スクラムゼミ」の活動について報告します。

1月:梅田防災スクラムの日

「1.17」私たちが忘れてはいけない、阪神・淡路大震災が発生した日。その日、有事の際に自助力と共助力のどちらも必要となる梅田エリアの就業者をメインターゲットとした、防災啓発イベントを実施しました。
またイベント会場は、開催主旨にご賛同いただいた「無印良品 グランフロント大阪」様のご協力のもと、同店4階 Open MUJIにて開催させていただきました。

[実施概要]
日時:2026年1月16日(金)・17日(土) 11:00~18:00
会場:無印良品 グランフロント大阪 3階、4階 Open MUJI
講座参加者数:80名(1月16日:30名、1月17日:50名)
主催:梅田地区エリアマネジメント実践連絡会
企 画 協 力:NPO法人プラス・アーツ
協力:無印良品 グランフロント大阪

【体験型講座:現場で役立つ技を学ぶ】

講座では、NPO法人プラス・アーツの永田氏と光田氏より、梅田エリアにおける南海トラフ巨大地震の被害想定に基づいた避難行動の基本から、職場や自宅で役立つ実践的な備えまで、幅広い知識が共有されました。講座内では、大判ハンカチやビニール袋など身近な物を使った応急手当のワークショップや、実物の防災グッズの紹介、さらには「災害用伝言ダイヤル(171)」の操作体験といった体験型のプログラムが実施されました。
また、株式会社良品計画の福岡氏からは、「無印良品 グランフロント大阪」が行ってきた様々な防災活動や、発災時に店舗内にいるお客様を施設内の安全な場所に誘導するための計画など、店舗内外に向けた防災の取り組みについてご説明いただきました。
参加した就業者からは、学んだ知識を社内や家族に共有し、防災の意識を広めていきたいという前向きな感想が多く寄せられました。

【シーン別防災グッズ展示】

「職場」「移動時」「自宅」の3つのシーンに合わせた備蓄例を展示。1人に対して必要な量の実物を並べたことにより、備えの必要性を実感することができ、またすでに備えている方でも、それらの見直しや買い足す必要があることの発見にも繋がったのではないでしょうか。

防災グッズ展示の様子

今回実施した講座の中で、NPO法人プラス・アーツの永田氏は、「大勢の人がいる梅田エリアで被災した際は、人の流れに巻き込まれると危険。まずは落ち着いて行動してほしい。」と参加者へ伝えていました。被災した際に落ち着いて行動するためにも、各自が事前に備えておくことが大切です。

3月:第9回 梅田防災スクラムゼミ

梅田エリアの来街者・就業者の安全対策に関わる方々を対象にした勉強会「梅田防災スクラムゼミ」を開催しました。

[実施概要]
第9回 梅田防災スクラムゼミ
日時:2026年3月10日(火)15:00-17:00
会場:阪急阪神MEETS内 NORIBA10 umeda
対象:梅田の来街者・就業者の安全対策に関わる方々
主催:梅田地区エリアマネジメント実践連絡会
企画協力:NPO法人プラス・アーツ

【講座:他都市の事例から学ぶ連携の形】

今回は、首都圏を中心にターミナル駅周辺地域のエリア防災対策を実践されている工学院大学の村上正浩氏を講師に招き、他都市・他エリアの活動事例をご紹介いただきました。
前半の講座では、まず初めに平成25年の改正を機に「防災」の要素が組み込まれた大阪駅周辺地域都市再生安全確保計画に触れ、大都市における防災対策をベースにしたまちづくりが、地域の付加価値となり、結果的にブランド力や国際競争力を高めていく、といったこれからのエリア防災の考え方をお示しいただきました。
災害時には約15万人が滞留する梅田地区。当該地区のエリア防災のヒントになる実践例として、各事業者単位で取り組むBCP*1の考え方をエリア単位に拡張した「地域の事業継続計画DCP*2」の策定や、大災害後も事業が継続できる地区BCD*3の実現を目指す「大丸有地区(大手町・丸の内・有楽町)」に加え、講師の村上氏も構成メンバーである「新宿駅周辺防災対策協議会」の取り組みについてご紹介いただきました。
同協議会は、2009年に策定した発災時の行動原則「新宿ルール」が未曾有の東日本大震災の際に十分機能できなかった経験を教訓に、2016年6月、発災時には「むやみに移動しない」「現地本部を中心に連携する」「地域で傷病者に対応する」という3つの行動指針を新たに策定するとともに、平時からは「事業継続可能な環境の確保」「情報収集・伝達」「避難・退避誘導支援」「医療救護活動」といった4つの計画項目を、ソフト、ハード両面から考える「新宿モデル」の推進に取り組んでいます。
村上氏は「新宿駅周辺の地下街は複数の管理区分に分かれているため、災害時に連携し合わないと地上に群衆を誘導することすら困難になる」といった地下街が発達した大都市特有の課題を解決する糸口として、「普段から地域の病院にかかりつけになっておく繋がりが、災害時には”地域内の死者のゼロを目指そう”というスローガンの実現に繋がるかもしれない」「飲食店と調理学校の普段からの連携が、災害時の食料廃棄を減らすかもしれない」「交通インフラであるバスが災害時にはケガ人を病院まで搬送できるかもしれない」といった可能性を示しつつ、あらゆる地域資源を有効活用する平時からの仕組みづくり、日常のエリアマネジメント活動との連携が有効であり、地域の災害力向上に繋がるとお伝えいただきました。

*1 Business Continuity Plan
*2 District Continuity Plan
*3 Business Continuity District

【ワークショップ:共通課題の共有】

後半では、梅田地区で実践できそうなアクションを参加者同士で考えるワークショップを実施しました。「近隣施設と悩みや課題を共有できたことが貴重だった」といった感想が多く、エリア内のステークホルダーが一体となる第一歩となりました。

ワークショップの様子

最後に村上氏より、「平時からの取り組みによって、災害時には行き場のない人を単なる被災者ではなく、地域内でともに助け合う関係者と捉えるような視点の変化に繋がるのではないか」というこれからの梅田地区のエリアマネジメント活動への示唆に富んだお話をいただきました。
またスクラムゼミ終了後には、参加者同士が名刺交換や、意見交換といった交流される様子も見受けられ、地域で顔の見える関係性づくりに向けた第一歩がはじまっていました。

結びに

「梅田にいる人の自助力・共助力が高まり、防災に強いまち梅田」を目指し、梅田地区エリアマネジメント実践連絡会では継続して防災活動を進めていきます。

梅田地区エリアマネジメント
実践連絡会メンバー

  • JR西日本
  • 阪急電鉄
  • 阪神電車
  • GRAND FRONT OSAKA
  • Osaka Metro