1. TOP
  2. レポート
  3. 梅田地区の交通ネットワークの進化

梅田地区の交通ネットワークの進化

2022.11.04

2009年にJR西日本・阪急電鉄・阪神電気鉄道・グランフロント大阪TMOの4者で設立した梅田地区エリアマネジメント実践連絡会(以下、実践連絡会)。2021年4月より、新たにOsaka Metroが加わりました。
地下鉄や地下鉄駅ナカ事業を展開するOsaka Metroが実践連絡会の一員となったことで、梅田の地上と地下空間がこれまで以上に連携した、エリアマネジメント活動の展開が可能となりました。
今回は、まちと共に変わり続ける梅田の交通ネットワークについて、これまでの歴史を振り返りつつ、新メンバーのOsaka Metroが手掛ける、梅田地区における最新の取り組みをご紹介します。

梅田地区の交通の歴史

梅田地区の交通の歴史は、いまから約150年前に遡ります。1874年に開業した国鉄大阪駅(現:JR大阪駅)。その後、阪神電鉄の梅田駅、箕面有馬電気軌道(現:阪急電鉄)の梅田駅がそれぞれ開業しました。あわせて、阪急百貨店をはじめとする鉄道会社直営のターミナルデパートが次々に開業し、梅田地区にはさらに盛り上がっていきました。
そして1933年、大阪市営電気鉄道(現:Osaka Metro)によって地下鉄梅田駅が開業。戦後には、地下鉄の梅田駅を囲むように地下街が発展し、梅田の大規模な地下街が形成されていきました。
その後、西梅田駅、東梅田駅、JR北新地駅と梅田の各エリアを縫うように多くの駅が新設され、さらに大阪シティバスや阪急バスをはじめとする路線バスの交通網が発達し、今日に至ります。

初代大阪駅

交通ネットワークの課題

12路線7駅が集まる全国でも屈指のターミナルである梅田。皆さんは公共交通機関などで梅田にお越しになった後、どのような移動手段をご利用されていますか?
うめきたエリアや茶屋町エリアなどにぎわうエリアが点在していることもあり、徒歩で移動されることが多いのではないでしょうか。

ご存知の通り梅田地区の特性として、鉄道網や路線バス網によるエリア外からのアクセスは良好であるものの、エリア内の交通手段は、梅田各地を巡回する”うめぐるバス”やレンタサイクルといったサービスの展開などにより大幅に改善しつつも依然として選択肢が限られている状況です。そのなかで来街者の方々の移動手段は、徒歩が中心となっています。
にもかかわらず、梅田の歩行者空間は地上・地下共に、混雑やわかりにくさ、回遊性の低さといったさまざまな課題を抱えています。

梅田を走るうめぐるバス

これらの課題に対して実践連絡会では、「Walkable UMEDA構想」と題し、エリアの歩行者空間の改善にとどまらず、歩行者空間そのものを単なる移動空間ではなく、そこで過ごす時間や活動が魅力になる都市空間とすることを提案しています。
梅田地区の各エリア間をつなぐ環状歩行者ネットワークを構築し、“もっと歩いて楽しいまち”をめざす「梅田コネクトロード」も「Walkable UMEDA構想」のひとつです。

2019年度阪神百貨店西側道路における検証行為の様子
2020年度市道工業学校表通線検証行為の様子

しかしながら、今後開業する” うめきた2期地区開発事業”や”梅田3丁目計画”といったプロジェクトによって梅田を行き交う人々が増えるなか、様々な来街者ごとの多様なニーズに対して、移動手段の選択肢が少ない状況は変わりません。そこで、Osaka Metroが新たに展開するサービスが、「オンデマンドバス」です。

Osaka Metroのオンデマンドバスの取り組み

そうした梅田地区の新たな移動の選択肢として、Osaka Metroが取り組んでいるのが北区・福島区のオンデマンドバス運行による社会実験です。
オンデマンドバスとは、乗車日時や乗降場所をご指定いただくことでお客さまのニーズに応じて運行する新しいスタイルの乗り合いバス。Osaka Metroでは2021年3月より、平野エリア・生野エリアで社会実験を開始しました。2022年4月からは鉄道網が充実するキタ・福島エリアで、都市部でのさらなる移動ニーズの充実を目指し運行を実施。梅田地区のさらなる交通の充実に向けて日々取り組んでいます。
今後は、地域特性や移動ニーズを踏まえながらオンデマンドバスの運行エリアを拡大するとともに、鉄道・路線バスなどのモビリティとの乗り換えの充実を図り、利便性の向上を目指します。

より便利になる梅田へ

鉄道網の充実に加えて、エリア内の移動手段も発展する梅田地区。2023年春にはグランフロント大阪と梅田スカイビルの間のうめきたエリアに待望の新駅が誕生予定です。さらに2031年には関西国際空港とのアクセスが飛躍的に向上するなにわ筋線の開通が計画されています。
新たな開発プロジェクトやエリアイベントだけでなく、交通ネットワークが充実しますますヒトやモノが集まるまちへ進化を続ける梅田。実践連絡会では梅田の集客力を活かした持続的な発展を目指して、今後も様々な活動に取り組んでまいります。

梅田地区エリアマネジメント
実践連絡会メンバー

  • JR西日本
  • 阪急電鉄
  • 阪神電車
  • GRAND FRONT OSAKA
  • Osaka Metro