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梅田地区内の各エリアにおけるエリアマネジメントの取り組み

2022.03.31

梅田地区エリアマネジメント実践連絡会(以下、「実践連絡会」)は、2009年11月にJR西日本・阪急電鉄・阪神電気鉄道・グランフロント大阪TMOの4者で設立し、エリア全体の競争力、集客力、地域力を高める活動を行ってきました。
2021年4月よりOsaka Metroが加入し、地上・地下空間が連動したエリアマネジメント活動を推進しています。本レポートでは、近年、梅田地区内の各エリアにおいて、実践連絡会並びに各者が取り組んでいる活動の一部や今後の展望をご紹介します。

阪急大阪梅田駅・茶屋町エリア

阪急大阪梅田駅の北東部に広がる茶屋町エリアは、NU chayamachiや梅田ロフトなどの商業施設、毎日放送、大学、専門学校といった個性豊かな施設が建ち並ぶ、ショッピングとまち歩きの両方を楽しむことができるエリアです。
実践連絡会が企画する梅田エリア全体で夏季に開催するイベント「梅田ゆかた祭」においては、茶屋町エリア内にある旧能勢街道や公開空地などのオープンスペースを活用し、ベンチや床几台などの休憩スペースを設置するなど、新たな滞在空間の創出にも取り組んでいます。 また、阪急電鉄は、同エリア内の企業や地域団体、学校などと連携し、エリアイベントの開催などを通して、エリアの賑わい形成に取り組んでいます。
一例として、茶屋町エリアを会場としたイベント「1000000人のキャンドルナイト@OSAKA CITY茶屋町スロウデイ」を開催しており、キャンドル装飾やアート作品で沿道を彩り、居心地よく魅力的なまち並みの中で、よりまち歩きを楽しんでもらえるよう取り組んでいます。その他にも、各種イベントを通して、梅田エリア内の学校などと連携し、ワークショップやライブ、作品展示を、施設各所や公開空地などで行う企画も実施しています。
今後も阪急電鉄は、様々な分野で梅田に関わる人々を巻き込み、まちの魅力を共に向上・発信する取り組みを展開していきます。

「梅田ゆかた祭」における
オープンスペースの活用
「1000000人のキャンドルナイト@OSAKA CITY茶屋町スロウデイ」における沿道でのアート作品展示
茶屋町エリア内の企業や地域団体、
学校などとの連携
茶屋町エリア内の企業や地域団体、
学校などとの連携

うめきたエリア

うめきたエリアでは、現在JR大阪駅北側にて「うめきた2期地区開発プロジェクト」が進行しており、2023年春に新駅開業・2024年夏に2期地区の先行まちびらきを控えるなど、これからますます注目されるエリアへと発展します。
先行開発区域であるグランフロント大阪では「参加型のまちづくり」をコンセプトに、若者の夢を支援する活動として、ストリートから全国・世界に羽ばたくミュージシャンを応援する「MUSIC BUSKER IN UMEKITA」や、新進気鋭のアーティストたちの展示をサポートし、アートのあるまちを目指す「ART SCRAMBLE」に取り組むことで、来街者に新しい発見や感動を提供すると共に、音楽やアートと来街者が出会い、繋がっていくまちを目指しています。「MUSIC BUSKER IN UMEKITA」では、近年活動ライセンスを保有するミュージシャンがメジャーデビューを果たすなど、うめきたから羽ばたき活躍する方も出始めています。
その他にも、大阪・関西の玄関口にふさわしいまち並み景観を形成するため、「街並み景観ガイドライン」を策定しています。例えば敷地周辺の歩道空間を一体的に活用したオープンカフェやイルミネーションの実施、屋外広告物事業などの展開にガイドラインを活用することで、上質な都市空間を演出しています。

「MUSIC BUSKER IN UMEKITA」
うめきた広場での演奏風景
「ART SCRAMBLE」
“hiwadrome typeΔ” by檜皮一彦
「ART SCRAMBLE」
“Mobula” by WHOLE9(右)
“Tiny desk” by KENTA SENEKT(左)
グランフロント大阪
けやき並木沿いの街並み

西梅田エリア

西梅田エリアは、国際集客都市大阪の文化・国際・情報強化に資する拠点として、1992年に「OSAKA GARDEN CITY」という愛称でまちびらきが行われました。同エリアでは、阪神電気鉄道が参画する(一社)西梅田地下道管理協議会(以下、地下道管理協議会)などが主体となり、様々なエリアマネジメント活動を行っています。
同エリアに位置する西梅田地下道では、2021年12月より約1年間にわたり、大阪市の都市再生推進法人準備団体認定制度を活用して、公共空間の活用実験「西梅田UNDER CARAVAN」を開催しています。また、定期的な防災勉強会や防災関連施設の見学会なども実施し、同エリアに所在する関係者間で連携しながら、安心・安全を守る取り組みにも注力しています。
実践連絡会が企画する梅田エリア全体で冬季に開催するイベント「UMEDA MEETS HEART」では、2021年に実践連絡会と地下道管理協議会が連携の上、地区内の有効空地を活用し、キッチンカーやマルシェを展開しました。もともと飲食店が少ない地区ということもあり、多くの方々から好評を博した取り組みとなりました。
2023年以降は、旧大阪中央郵便局跡地に新たなビルの開業が予定されるなど、ますます変貌を遂げる同エリア。賑わい・交流空間の整備を検討し、居心地の良い歩きたくなる空間づくりを推進すると同時に、防災活動や清掃活動などを通して、安心・安全なまちづくりを行うことで、エリア価値の向上を目指しています。

西梅田地下道にて開催の「西梅田UNDER CARAVAN」
2021年は「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」を見学

JR大阪駅エリア

JR大阪駅および駅に直結する大阪ステーションシティは、大阪・関西の玄関口として様々な機能が集積したエリアです。JR西日本グループが中心となり、大阪駅の集客力を活かしながら、大阪ステーションシティ内の広場などにおいて、様々な施策を展開しています。
地域と連携した取り組みとして、「梅田ゆかた祭」開催時には、大阪ステーションシティ内の広場で、近隣の服飾専門学校の学生によるファッションショーや作品展示を実施しています。また、2019年まで実践連絡会が企画し梅田エリア全体で冬季に開催していたイベント「梅田スノーマンフェスティバル」では、行政との連携より、大阪市域を中心にスポーツの振興及びスポーツ産業の発展を目指して活動する「舞洲プロジェクト」とコラボした企画を実施しました。この他にも、大阪駅では、周辺企業や行政と共に、不法駐輪キャンペーンや受動喫煙防止啓発活動を実施しており、来街者に心地よく過ごしていただけるまちを目指した取り組みを継続しています。
2024年には、大阪駅西側にて新改札口の整備や新駅ビルの開業が予定され、周辺地区との回遊性の向上が期待される同エリアにおいて、これからも賑わいの創出や居心地の良いまちを目指した活動に取り組みます。

「梅田ゆかた祭」での服飾専門学生によるファッションショー
服飾専門学生のスタイリング作品を展示
「梅田スノーマンフェスティバル」での
行政と連携したステージ企画

JR大阪駅南エリア(ダイヤモンド地区)

エリア全体が五角形の形をしていることから「ダイヤモンド地区」と呼ばれている同エリアでは、阪神電気鉄道が、大阪ダイヤモンドシティ協議会などと一体となり、地区の賑わいづくりを目的としたエリアイベントや、防災活動、清掃活動などを実施しています。
毎年秋には「大阪ダイヤモンドフェスタ」が開催され、地区内ワーカーを対象にした2021年度は、キッチンカーや地方の物産展などのコンテンツが好評を博しました。一方で、毎月恒例の清掃活動や、放置自転車追放キャンペーンなどの地道な取り組みも続けるなど、地上と地下が一体となって賑わいを創出していく努力を続けています。また、「梅田ゆかた祭」に合わせて、エリア内の阪神百貨店2階デッキでの手ぬぐいによる「和」を演出した装飾や、地区内の皆様にご参加いただけるワークショップも実施しています。
2022年春には大阪梅田ツインタワーズ・サウスも竣工するなど、エリアの様子が大きく変わりつつある同エリア。地域との連携をより密にしながら、新たなまちの姿を構築していく取り組みを続けていきます。

地区内の公共空間にて実施されている
「大阪ダイヤモンドフェスタ」
2021年の「大阪ダイヤモンドフェスタ」では、
キッチンカーや物産展が出店されました
2022年に竣工した「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」

地下

梅田地区には、エリア全体に充実した地下空間を備えており、ホワイティうめだやディアモール大阪、ドーチカといった大規模な地下街や、阪急三番街などの地下商業施設、駅ナカ商業施設のekimo梅田により、鉄道駅や地下鉄駅を繋ぐように東西南北の地下の歩行者ネットワークが形成されています。
そのなかでも、地下街として日本有数の規模を誇るホワイティうめだは、ファッションだけでなく、コスメ・雑貨といった幅広いジャンルの物販店舗の展開に加え、2019年にオープンしたバル街「NOMOKA」を擁します。地下の賑わいづくりに向け、定番待ち合わせスポットである「泉の広場」を活用しながら、人気キャラクターとのコラボレーションや各種キャンペーンなどの幅広い企画を展開しています。
また、エリアマネジメントに関する取り組みとして、地下鉄駅や地下街のデジタルサイネージや壁面などの活用により、実践連絡会企画のイベント・施策と連携し、効果的な情報発信や地上との一体感の演出にも取り組んでいます。
2021年度からは、Osaka Metroが実践連絡会に参画し、地下の魅力向上への取り組みなどによって、梅田地区全体の競争力、集客力、地域力を高め、エリアの持続的な発展を目指し、加盟各社とともに活動に取り組んでいきます。

大阪・西梅田駅すぐの地下街
「ドージマ地下センター(ドーチカ)」
「ホワイティうめだ」にオープンしたバル街「NOMOKA(ノモカ)」
2019年12月にリニューアルした「泉の広場」
「ホワイティうめだ」での
人気キャラクターとのコラボ装飾

今後の活動について

このように、梅田地区では各エリアの個性や特徴に応じて様々な取り組みが行われています。
実践連絡会は、各エリアの取り組みと連携・連動しながら、Osaka Metroの参画を契機に、地上・地下空間が一体となった取り組みを推進することで、梅田地区の持続的な発展とさらなる魅力の向上を目指してまいります。

梅田地区エリアマネジメント
実践連絡会メンバー

  • JR西日本
  • 阪急電鉄
  • 阪神電車
  • GRAND FRONT OSAKA
  • Osaka Metro