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新たな賑わいがうまれる梅田

2023.03.30

梅田地区エリアマネジメント実践連絡会(以下、実践連絡会)は、JR西日本・阪急電鉄・阪神電気鉄道・グランフロント大阪TMO・Osaka Metroの5者で、エリア全体の競争力や集客力の向上、地上・地下空間が連動したエリアマネジメント活動を推進しています。
本レポートでは、コロナとの共生が進み徐々に人の賑わいが戻る梅田の街で、さらなる発展や安心・安全な都市を目指して実践連絡会が行った2022年度の活動をご紹介します。

1.夏季・冬季イベントの開催

【夏季イベント「梅田ゆかた祭 2022」】

2012年から続く「梅田ゆかた祭」は、まちの魅力向上と情報発信を目的として、伝統の和文化である「ゆかた」をテーマにし、梅田に関わるみなさまと一体となって作り上げる夏のエリアイベントです。近年、梅田の夏の風物詩として定着しつつあります。

3年ぶりのイベント開催となった今年度は、イベント期間を7月11日(月)~8月10日(水)に設け、特設会場イベントを7月30日(土)・31日(日)の2日間で開催しました。少しずつではありますが、梅田に関わる多くの方々と共に歩み、作り、安心・安全で活気のある梅田に戻ることの願いをこめて企画・実施し、参加者は延べ2万人、うちゆかた着用5千人となりました。
今年度の「梅田ゆかた祭」のイベントの内容を抜粋して紹介します。

①ぺたぺたゆかた気分
自分だけの「ゆかた柄手ぬぐい」づくりを楽しめるよう、「ゆかた柄手ぬぐい」にお気に入りのスタンプを押していく(参加者 約2,400名)。

②ハイパー縁側@梅田ゆかた祭
そのまちに暮らす人や仕事をする人とのおしゃべりを通して、歴史や取り組み、生き方などを共有するためのトークセッションを開催(参加者 約2,500名)。

③打ち水大作戦
環境にやさしい・快適なまちづくりを目指し、日本人の知恵「打ち水」でまちを涼しく演出(参加者 約800名)。

④特設会場イベント
●阪急茶屋町会場
 ◇ワークショップ・キッチンカ―:ファミリーをはじめ幅広い層が参加
 ◇ステージイベント:ゴスペルライブ・ファッションショー
 ◇OSAKA FOOD LAB:夏祭りをテーマにしたマーケット・ライブ
 ◇手ぬぐいラリー:手ぬぐいを台紙とし、茶屋町エリア9施設を巡るスタンプラリー

●グランフロント大阪会場
 ◇行灯装飾&巨大サンシェード:B反手ぬぐいを再利用した和と光の演出、日よけによる居場所づくり
 ◇夕涼みライブ:バスカーアーティスト、柴島高校和太鼓部などの出演
 ◇リバーサイドラウンジ:水景に足を浸して過ごせる広場づくり

●大阪ステーションシティ会場
 ◇ゆかたファッションショー:専門学校生による毎年恒例のファッションショー、「世界各都市」をテーマに13種類のショーを展開
 ◇ゆかたショー:新しいゆかたの着方、ゆかた着付けのコツなどをショーで披露

●そねちか・ダイヤモンド地区会場
 ◇曽根崎地下歩道(道路、国道2号直下)を通過空間から滞留空間に変えるべく、お休み処や和の装飾を展開
Aゾーン:みんなで挑戦!わくわく運動:スラックライン、弓の試練「ウチッパ」
Bゾーン:癒しと団らん!「ほっ」と休息エリア:ヨガプログラム、芝生ゾーン、テントゾーン、足つぼ刺激ゾーン

●CAFÉ ONthe ドーチカ会場
 ◇特別ギャラリー展示:スタンプデザインに向けたワークショップを行った様子や園児たちの描いた作品を展示
 ◇怪談「大阪のちょっと怖い昔話」:大阪に伝わる怖い話

⑤風情ある手ぬぐい装飾
和文化継承をテーマに挙げ、「大阪注染」による手ぬぐいをまちなかで装飾展開。

茶屋町あるこ前
グランフロント大阪 うめきた広場
大阪ステーションシティ 風の広場
曽根崎地下歩道 そねちか
Osaka Metro御堂筋線 梅田駅構内

このほか、梅田のまちを綺麗にして来街者をお出迎えする「梅田まち洗い」も行いました。
イベント期間中では、まちなかで風情ある手ぬぐい装飾をしたり、商業施設と連携してお客様を迎える「ゆかたでおもてなし」や割引サービス・ノベルティのプレゼント、SNSフォトキャンペーンを実施したりと、梅田のまち全体で、お越しになる方々の出会いを作りました。

【冬季イベント「UMEDA MEETS HEART 2022」】

「UMEDA MEETS HEART」とは、新駅開業や再開発の竣工など、変わりゆく梅田の街への期待が高まる中で、シビックプライド(愛着・誇り・参画意識)を醸成することを目標に2020年度より開催している冬のイベントです。
今年度は12月1日(木)~25日(日)に開催し、延べ1万2千人以上の方にご参加いただきました。
※2019年までは「スノーマンフェスティバル」として開催。

① ハートコレクト
事前募集した北区の幼稚園・保育園の子供たちのメッセージと、当日来場された方の想いをハートに記入いただき展示。

北区の子供たちの
「ぼくのゆめ・わたしのゆめ」展示
当日のメッセージ書き込み①
(大阪ステーションシティ会場)
当日のメッセージ書き込み②
(Osaka Metro泉の広場会場)
想いの詰まったメッセージツリー
(Osaka Metro泉の広場会場)

② エリアコンテンツ
阪急茶屋町会場、西梅田会場、大阪ステーションシティ会場、グランフロント大阪会場、Osaka Metroドーチカ会場の5会場にて、地域の方々と連携したイベントを実施。

茶屋町での車道上における
早稲田摂陵高校によるパフォーマンス
(阪急茶屋町会場)
西梅田公園におけるキッチンカーや休憩スペースの設置
(西梅田会場)
JR大阪駅5F・時空の広場おける大阪エキウエコンサート
(大阪ステーションシティ会場)
窓から見える風景をガラス面に描くワークショップを開催
(グランフロント大阪会場)
思い思いのハートを様々な手法で描くワークショップを開催
(Osaka Metro ドーチカ会場)

③ ハートスポット・ハートラリー
商業施設・ホテル等のハートやイルミネーションの装飾をご紹介・ラリー地点として登録することで、大規模なスタンプラリーを実施(43か所)。

ホワイティうめだのハートスポット(ハート装飾)
HEP FIVEのハートスポット(イルミネーション装飾)

④ ハートアーカイブ
イベント内容と梅田地区の風景を、動画として公式HP上で公開。
今年度は初めて、上田安子服飾専門学校スタイリングフォト学科の皆様に動画の撮影・制作をいただきました。
▼2022年度ハートアーカイブ

私たちはこれからも、梅田に関わる方々の想いを大切にし、もっと梅田が好きになる、そんなイベントを目指して挑戦を続けます。

2. 梅田防災スクラム

実践連絡会では、「いざという時その場にいる人同士で助け合える、みんながみんなを守るまち梅田」を目指し、様々な活動を行っています。(詳しくはこちら
今回はそんな「共助力があるまち 梅田」を目指し、2022年度行った活動を紹介します。

① 「阪急阪神ゆめ・まちソーシャルラボ」防災ワークショップとの連携(詳しくはこちら
7月23日(土)、阪急阪神ホールディングスと大阪ガスネットワークが協働して実施する親子向けの防災ワークショップにて、身の回りのものを応用してできる骨折の応急処置体験プログラムを実施しました。

●応急処置方法が掲載されている「携帯型マニュアルブック」

防災ワークショップ実施の様子

② 地域の防災訓練への参加
梅田防災スクラムでは梅田エリア内外の防災訓練にも参加しています。避難所開設や消火活動の実習、発災時の情報発信の先端事例の見学など、様々な事例に触れ、梅田防災スクラムの活動に活かしています。
(参加防災訓練例)
・9月1日(防災の日):北大江地区避難所実習
・10月24日:消防体験教室(大阪市消防局主催)
・1月17日:ミナミまち育てエリアネットワーク防災訓練 他

③ 防災啓発ツールの掲出
梅田エリアでは、全国で防災意識の高まる1月17日~3月11日の期間中に、地域関係者の方々にご協力をいただいて、エリア内各所において、サイネージなどの情報発信媒体を用いて啓発ツールを掲出しています。

防災啓発ツールの一例

④ 防災スクラムゼミの実施
梅田防災スクラムでは、梅田エリアの就業者を対象に、防災を考えるきっかけや、防災を学びあう機会をつくる目的で、「梅田防災スクラムゼミ」を開講しています。今年度は「各ビル・オフィスレベルでの帰宅困難者対応」をテーマに、大阪都心における大規模地震のリスクと、災害時における鉄道会社の対応についてご紹介したほか、自施設・自社内で想定される取り組みを話し合うワークショップを開催し、80名程度の方にご参加いただきました。

防災スクラムゼミ開催の様子

梅田防災スクラムでは、今後もさらに取り組みの幅を広げながら、「みんながみんなを守るまち 梅田」を目指して活動を進めてまいります。

3. Walkable UMEDA構想 社会実験の実施

実践連絡会では、公共空間には、新たな出会いや発見が満ち、多様なイノベーションを生み出す潜在的な力があると考え、その力を活かすための行動指針「Walkable UMEDA構想(以下「WU構想」)」を策定しています。
今回はこのWU構想のもと、11月1日(火)~6日(日)の6日間、国土交通省補助事業(官民連携まちなか再生推進事業)として、歩道上の滞留・交流空間づくりのための社会実験を実施しました(2020年度実施の社会実験レポートはこちら)。

社会実験の実施状況

●今回の社会実験のねらい
今回の社会実験は、「地域にふさわしい空間再編に資するため滞留空間の形式を検証」という目的で実施されたものです。実施に至るまで様々な関係者との協議・調整を行いました。特に今回注力したのが、沿道地域の個性を引き出して歩道上に展開するという点です。その街の活動(文化)を歩道に表出させて、通行者に新たな歩行体験を与えることができるかを検証しました。

地域文化表出のイメージ

●社会実験の様子
歩道の一部を占用し、この社会実験のために設計したテーブル・イス・ワークボックスなどを設置しました。期間中は、他の滞留者との会話や飲食、仕事などのアクティビティが見られました。またワークボックス内には、音楽(クラシック)や演劇、靴・絵画制作など、様々な創作文化が表出しました。今回の社会実験について、利用者アンケート調査などから、歩道上に滞留空間(憩い・交流空間)を設けることについて、肯定的な意見が多く見受けられました。

様々なアクティビティの様子
利用者及び通行者アンケート調査結果(抜粋)

4. 新たな情報発信の展開

実践連絡会では、コロナを乗り越え新たな賑わいを形成する梅田の姿の発信を目的として、2023年3月より梅田地区周辺で新規サイネージの展開を行っています。
新規サイネージのテーマは「リスタート梅田」。コロナ禍を越え、梅田に新たな活気があふれる様子を実践連絡会の活動と共に発信しています。
サイネージは15秒動画版と静止画版の2種類の展開となっており、実践連絡会に参画する5者(JR西日本・阪急電鉄・阪神電気鉄道・グランフロント大阪TMO・Osaka Metro)の施設・駅周辺で放映しています。

新規サイネージ(15秒動画版)

今後に向けて

このように、実践連絡会では梅田の街の発展に向けて、様々な活動に取り組んでいます。
今後も梅田は、大阪・関西万博の開催もあり、より多くの人々が行き交う街へと進化していきます。実践連絡会では、変わりゆく梅田の持続的な発展と魅力の向上を目指してこれからも活動していきます。

日々の活動の様子や最新情報はぜひ実践連絡会の各種SNS(FacebookTwitterInstagram)をご覧ください。

梅田地区エリアマネジメント
実践連絡会メンバー

  • JR西日本
  • 阪急電鉄
  • 阪神電車
  • GRAND FRONT OSAKA
  • Osaka Metro